食材の風味やおいしさに影響を与える「旨味成分」。
本記事では、その種類と役割について詳しく紹介します。
グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸など、各成分の特性や含まれる食材、料理への応用方法を解説。
また、これらの成分を組み合わせて引き立てる「相乗効果」も紹介します。
食べ物のおいしさを科学的に理解し、楽しむための情報をお届けします。

 

□グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸など旨味成分の一覧

 

*グルタミン酸

グルタミン酸は、タンパク質の分解や発酵プロセスなどによって生じるアミノ酸のタイプであり、食品中に自然に存在する旨味の主要成分の一つです。
天然の旨味成分の中では、最も多く含まれています。

この成分は、味覚受容体と相互作用することで、食品の旨味を感じさせる役割を果たします。
さらに、グルタミン酸は体内で必須的に合成されるアミノ酸の一つでもあり、エネルギー代謝、筋肉の構築、脳の機能など、多岐にわたる生理的機能に影響を与えています。

調味料やスープなどの食品において、グルタミン酸は添加物として使用されることもありますが、過剰摂取には留意が必要です。
適切な摂取量を守ることが大切です。

 

*イノシン酸

イノシン酸という成分は、肉や魚、特にマグロの赤身、干し椎茸、昆布などに見られる核酸のひとつで、食品中の旨味成分の一種です。
このイノシン酸は、加熱や長時間の乾燥などの過程によって、旨味をもたらすイノシン酸ナトリウムとして変化します。
多くのうま味調味料の生成に使用され、かつては医薬品の材料としても利用されていました。

さらに、イノシン酸とグルタミン酸を組み合わせることで、相乗効果が現れ、より強力な旨味が生まれることが認識されています。
ただし、過度な摂取は痛風の発作を誘発する恐れがあるため、バランスの取れた食事を心掛けつつ摂取することが重要です。

 

*グアニル酸

グアニル酸という成分は、核酸の一種であり、自然界の食品に存在する天然の旨味成分の一つです。
グルタミン酸やイノシン酸と同じく、「第五のうま味」と称されることがあります。

この成分は、主に肉や魚、特にマグロの赤身、そして干し椎茸などに多く含まれています。
グアニル酸のうま味効果は、イノシン酸と同じく増幅作用があり、両者を組み合わせて使用することでより深い旨味を実現できます。

ただし、グアニル酸は体内に本来多く存在する成分ではないため、過度の摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があることに留意が必要です。
適切な量を守って摂取することが大切です。

 

□旨味成分を摂るにはだしを取ること?

スーパーマーケットで手に入る旨味を引き立てる調味料を使用することは一つの方法ですが、実際には、もっと手軽なやり方で旨味成分を活用できます。

その方法は「だし」を取ることです。

例えば、昆布からはグルタミン酸、鰹節からはイノシン酸、椎茸からはグアニル酸、アサリスープからはコハク酸など、異なる食材から旨味成分を引き出せます。

ここで、さらに一つの秘訣をお伝えしましょう。

これらの旨味成分を個別に摂取するのではなく、組み合わせて取ることで、より深い旨味を感じられます。
これを「旨味の相乗効果」と言います。

単なる足し算ではなく、掛け算のような効果です。
例えば、鰹節と昆布を組み合わせただし、あるいは鰹節・昆布・椎茸を組み合わせただしなどが該当します。
この方法は、日本の伝統的なだしだけでなく、世界中で使われています。

洋食ではトマトと海鮮を組み合わせたスープや、中華料理の白湯(バイタン)スープなどがあります。
より簡単に言うと、動物性食材(魚介類など)×植物性食材といえるでしょう。

 

□まとめ

旨味成分をご紹介しました。
それぞれだしを取り、かけあわせることで旨味深い料理となります。
しかし、だしをとるのは面倒くさい。
そんな方は当社が提供している調味だしをお試しください。