お店で食べた料理や自分で作った料理を撮ってSNSに載せることが一般的になりつつある今、料理の見た目はいっそう求められるようになりました。
しかし、やはり料理は見た目よりも味を楽しむものではないでしょうか。
実は、食材の味は5つに分かれます。
今回は、その味の中でも、料理には欠かせない旨味成分について、出汁の種類とともに解説します。
□食材に含まれる旨味成分とは?
旨味とは、人間が認識する5つの味の1つです。
旨味以外に、甘味、酸味、塩味、苦味があります。
他の4つの味と比べて認識が難しいかもしれませんが、旨味は、料理の味を深め、美味しさを支える大切な味なのです。
旨味を出す旨味成分は3つあります。
・グルタミン酸
グルタミン酸は、アミノ酸の一種です。
トマト、白菜などの野菜類、昆布やわかめなどの海藻類、チーズや味噌などの発酵食品に含まれています。
・イノシン酸
イノシン酸は、核酸の一種です。
カツオやサバなどの魚類、鶏肉や豚肉、牛肉などの肉類に含まれています。
・グアニル酸
グアニル酸も、核酸の一種です。
干し椎茸やポルチーニなどのきのこ類に含まれています。
また、これらの旨味成分は単独だけではなく組み合わせることで、より旨味を発揮します。
グルタミン酸×イノシン酸
グルタミン酸×グアニル酸
「旨味の相乗効果」と呼ばれるこの組み合わせは、料理を特段美味しくするので、ぜひ試してみてください。
□種類別!出汁に含まれる旨味成分
旨味を意識した料理を作りたいとき、「出汁」を思いつく方も多いと思います。
出汁にもさまざまな種類があり、それぞれが持つ旨味成分も異なるので、ぜひ理解して料理に活かしてみてください
1.かつおだし
和食でよく使われるかつおだしは、イノシン酸を含む出汁です。
グルタミン酸を含む野菜料理の下味として使うことで、より旨味を発揮します。
2.昆布だし
素材の味を活かせる昆布だしは、グルタミン酸を含む出汁です。
イノシン酸を含む肉料理の下味として使うだけでなく、イノシン酸を含むかつおだしとの合わせ出汁によっても旨味の相乗効果を発揮します。
3.煮干しだし
コクのある煮干しだしは、イノシン酸を含む出汁です。
かつおだしと同じく野菜料理に向いていますが、かつおだしよりも出汁の香りをつけたいときにおすすめです。
4.椎茸だし
他の出汁と合わせて使うことが多い椎茸だしは、グアニル酸を含む出汁です。
椎茸の風味が強いため、料理にその香りを活かしたいときにおすすめです。
□まとめ
旨味とは、人間が感じる5つの味の1つです。
3つの旨味成分があり、組み合わせによって旨味の相乗効果を発揮します。
ぜひ、今回紹介した出汁や食材の組み合わせを参考に、旨味を活かした料理を楽しんでみてください。