健康志向が高まる中、タンパク質を多く摂るべきだと耳にする機会も増えました。
タンパク質は、筋肉の維持や修復、ホルモンの生成など、私たちの体の様々な機能に欠かせない栄養素です。
しかし、タンパク質の中でも植物性タンパク質の摂りすぎが体に悪影響を与えるのか、具体的な影響については疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回は、植物性タンパク質の過剰摂取が体に与える影響について解説していきます。
 
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□植物性タンパク質の摂りすぎの影響は?

植物性タンパク質は、大豆製品、豆腐、納豆、レンズ豆、ひよこ豆、ナッツ類、穀物など、様々な食品に含まれています。
健康的な食事として注目されていますが、摂りすぎると体に悪影響があることも事実です。
具体的には、以下のような影響が考えられます。
1: 内臓疲労
タンパク質は、体内で合成と分解を繰り返しています。
その過程で、余ったタンパク質は分解されて窒素となり、肝臓や腎臓の働きによって尿素に変換され、尿として体外に排出されます。
しかし、タンパク質を過剰摂取すると、肝臓や腎臓にかかる負担が大きくなり、内臓疲労を引き起こす可能性があります。
2: カロリーオーバー
植物性タンパク質を含む食品の中には、カロリーが高いものも存在します。
例えば、ナッツ類やドライフルーツなどは、高タンパク質であると同時に、脂質も豊富に含まれているため、カロリーが高くなりがちです。
タンパク質を多く摂りたい一心で、これらの食品を過剰摂取してしまうと、カロリーオーバーとなり、肥満につながる可能性があります。
3: 尿路結石のリスク
尿路結石は、尿中に含まれる成分が結晶化して石のように固まってしまう病気です。
植物性タンパク質を多く摂取すると、シュウ酸や尿酸などの結石の原因となる物質が増加し、尿路結石のリスクが高まる可能性があります。
特に、シュウ酸はカルシウムと結合しやすい性質があるため、腸で吸収しきれなかったシュウ酸が尿中に出ると、尿中のカルシウムと結合して結石となるリスクが高まります。

□植物性タンパク質は健康に良い?

植物性タンパク質は、動物性タンパク質に比べて脂肪分が少なく、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素を豊富に含んでいます。
そのため、健康面で様々なメリットがあると考えられています。
近年では、植物性タンパク質を多く摂取することで、心血管疾患や糖尿病のリスクを低減できるという研究結果も報告されています。
1: 心血管疾患のリスク低減
植物性タンパク質は、飽和脂肪酸やコレステロールが少なく、不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。
これらの脂肪酸は、血液中のコレステロール値を下げ、動脈硬化を予防する効果が期待できます。
また、植物性タンパク質には、血圧を下げる効果があることがわかっています。
2: 糖尿病のリスク低減
植物性タンパク質は、血糖値の上昇を抑える効果があることがわかっています。
これは、植物性タンパク質が、消化吸収がゆっくりと進むため、血糖値が急上昇するのを防ぐ効果があるからです。
また、植物性タンパク質は、インスリン抵抗性を改善する効果も期待できます。

□まとめ

植物性タンパク質は健康的な食事として注目されていますが、過剰摂取すると内臓疲労やカロリーオーバー、尿路結石のリスクなど、体に悪影響を及ぼす可能性があります。
しかし、適切な量を摂取すれば、心血管疾患や糖尿病のリスクを低減するなど、様々な健康メリットも期待できます。
植物性タンパク質を効率的に摂取するためには、様々な食材をバランスよく食べることが大切です。