美味しい料理には、良質なだしが不可欠です。
特に、料理人にとって、だし選びは腕の見せ所であり、お店の味を左右する重要な要素と言えるでしょう。
一口に「業務用鰹節」と言っても、その種類や特徴は多岐に渡り、適切な選び方や使用方法を理解していなければ、本来の美味しさを引き出すことはできません。
そこで今回は、業務用鰹節の種類から選び方、そして効果的な活用法までを網羅的に解説します。

 

業務用鰹節の種類と特徴

削り節の種類と特徴

 

業務用鰹節の中でも、最も基本的な形態が削り節です。
その中でも、「花かつお」と呼ばれる薄削りは、上品な香り立ちと、短時間でだしが取れる点が特徴です。
一方、「厚削り」は、時間をかけてじっくり煮出すことで、濃厚で力強いだしを抽出できます。
そばつゆやうどんつゆなど、深みのあるだしが求められる料理に最適です。
さらに、「枯れ節」と呼ばれる、熟成させた鰹節を厚削りにしたものは、より上品な香りとコクが特徴です。
高級料理店などで重宝されています。
用途や好みに合わせて、最適な削り節を選びましょう。

 

だし汁の種類と特徴

 

既に鰹節を煮出して作られただし汁は、時間短縮に大きく貢献します。
水や湯で薄めるだけで、手軽にかつおの旨味を再現できます。
特に、大量調理を行う給食施設や、卵加工品メーカーなどでは、効率的な作業を実現する上で非常に便利な商品です。
ただし、だし汁の種類によっては、既に味付けされているものや、されていないものがあります。
使用する料理に合わせて、適切なものを選ぶ必要があります。

 

液体調味料の特徴

 

液体調味料は、鰹節エキスをベースに、醤油やその他の調味料が加えられた製品です。
めんつゆやタレ、ソースなど、味付けが既に完了しているため、調理時間を大幅に短縮できます。
また、風味やコクを付け加える目的で、様々な料理に活用できます。
特に、濃いめの味付けが求められる煮物や、めんつゆのベースなどに向いています。

 

業務用鰹節の選び方と活用法

 

鰹節の選び方のポイント

 

鰹節を選ぶ際には、まず「原料」を確認しましょう。
本枯れ節など、熟成度の高い鰹節は、より深い旨味と上品な香りが期待できます。
また、「削り方」も重要なポイントです。
薄削り、厚削り、削り粉など、様々な種類があり、それぞれに適した用途があります。

 

用途に合わせた鰹節の選び方

 

料理の種類によって、最適な鰹節の種類は異なります。
例えば、上品な香りを求める吸い物や茶碗蒸しには、花かつおが適しています。
一方、濃厚なだしが求められるそばつゆやうどんつゆには、厚削りがおすすめです。
煮物や鍋物など、様々な料理に汎用的に使えるのは、だしパックです。
また、めんつゆやタレのベースとして活用したい場合は、液体調味料が便利です。

 

鰹節の効果的な使用方法

 

削り節を使用する際は、だしを取る前に、軽く空炒りすることで、より香ばしいだしが得られます。
また、だしを取った後の鰹節(だしがら)は、二番だしとして再利用することも可能です。
だし汁や液体調味料は、用途に応じて希釈率を調整することで、様々な料理に活用できます。
ただし、それぞれの製品に記載されている使用方法を必ず確認し、適切な濃度で使用しましょう。

 

各種類別のだし取り方法

 

・削り節
鍋に水を入れて沸騰させ、火を止め、削り節を加えて1~2分置く。
その後、濾してだしを取り出します。
厚削りの場合は、弱火で15~30分煮出す必要があります。

・濃縮だし
水または湯で希釈するだけで簡単に使用できます。
希釈倍率は製品によって異なります。

・液体調味料
同様に水または湯で希釈して使用します。
希釈倍率は製品によって異なります。

 

おすすめの保存方法

 

鰹節は、直射日光や高温多湿を避け、冷暗所で保存しましょう。
開封後は、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存し、できるだけ早く使い切ることをおすすめします。
だし汁や液体調味料は、常温保存できるものと、冷蔵保存が必要なものがあります。
製品のラベルをよく確認し、適切な保存方法を守りましょう。

まとめ

 

今回は、業務用鰹節の選び方と活用法について解説しました。
削り節、だし汁、液体調味料など、様々な種類があり、それぞれに特徴と最適な使用方法があります。
用途や好みに合わせて、適切な鰹節を選び、その美味しさを最大限に引き出すことで、料理の質を高めることが可能です。
本記事が、業務に役立つことを願っています。