食べ物のおいしさには「旨味」という重要な要素があります。
最近の研究により、旨味には、複数組み合わせると起こる相互作用があることが分かりました。
本稿では、その旨味の相互作用、相互作用に必要な旨味成分を多く含む食品についてご紹介します。
相互作用を知り、複雑な旨味を作り出しましょう。

□旨味の相互作用とは?

*相乗効果

同質の味成分が交わると、旨味が2倍だけでなく、数倍に高まることが分かっています。
たとえば、鰹節のイノシン酸と、昆布のグルタミン酸を組み合わせることによって和食特有の奥ゆかしい旨味が表現されています。

*抑制効果

異なる味成分が交わると、一方の味を弱められることを指します。
甘味と苦味、甘味と酸味、塩味と酸味でそれぞれ抑制効果があります。
たとえば、コーヒーに砂糖を入れて苦味を抑えることによって飲みやすいものにしています。

*対比効果

異なる味覚を交わると、弱められるだけではありません。
組み合わせによっては、一方の味覚を強められる場合もあります。
甘味と塩味、塩味と旨味でそれが確認されています。
たとえば、すいかを食べる時、塩をふると甘味が強く感じられるのが代表です。

□旨味成分を多く含む食材とは?

相互作用を引き起こす旨味を多く含む食材を以下でご紹介します。
単位は全て100グラム分のミリグラムです。

1.グルタミン酸

・海藻 240から3380
・トマト 150から25
・ドライトマト 650から1140
・グリーンピース 110
・れんこん 100
・にんにく 100
・とうもろこし 70から110
・春菊 80
・大豆 70から80
・そら豆 60から80
・白菜 40から90
・じゃがいも 30から100
・ほうれん草 50から70
・にんじん 40から80
・たけのこ 14から90
・アスパラガス 30から50
・大根 30から70
・キャベツ 30から50
・玉ねぎ 20から50

2.イノシン酸

・豚肉 230
・鶏肉 150から230
・牛肉 80
・煮干し 350から800
・鰹節 470から700
・はまち 230から290
・いわし 280
・まぐろ 250から360
・たい 180から300

3.グアニル酸

・海苔 3から80
・ドライトマト 10
・干し椎茸 150
・えのきだけ 50

□まとめ

旨味成分の相互作用には、同じ味成分の相互作用、異なる成分の抑制効果、対比効果が挙げられます。
相互作用を実現させるため、本稿でご紹介した、旨味成分を多く含む食品を参考にしてみてください。
旨味の相互作用を知り、旨味をより豊かに味わいましょう。