洋食のスープや煮込み料理、ソースなどを仕込む際、味のベースとしてコンソメを使用している飲食店は少なくありません。一方で、料理ごとに味の濃さや香りを調整したい場合には、コンソメではなく洋風だしをベースにする方法があります。

洋風だしは、肉や魚介、野菜などから引き出した旨味を料理の土台として使用するものです。完成された味に近いコンソメとは異なり、塩や香辛料などを後から調整しやすいため、スープだけでなく、パスタ、リゾット、煮込み料理、ソースなど幅広いメニューに応用できます。

さらに近年は、訪日観光客の増加を背景として、ヴィーガンやベジタリアンなど多様な食習慣への対応も飲食店に求められています。動物性食品を使用しない野菜だしを用意しておけば、洋食店だけでなく、ラーメン店やカフェ、ホテルなどでもヴィーガン対応メニューを検討しやすくなります。

この記事では、コンソメではなく洋風だしを選ぶメリットや基本的な作り方、洋食で使用される調味料、業務用だしの選び方について、飲食店向けに解説します。

コンソメではなく洋風だしを選ぶメリットとは?

コンソメと洋風だしは似た用途で使われることがありますが、料理における役割には違いがあります。

洋風だしは料理の土台として使いやすく、その後に塩や香辛料、ワインなどを加えて味を組み立てられる点が特徴です。飲食店では、一つのだしを複数の料理に展開できれば、仕込みの効率化にもつながります。

料理に合わせて味の濃さや香りを調整しやすい

洋風だしを使用するメリットの一つが、料理に合わせて味の濃さや香りを調整しやすいことです。

コンソメはスープとして成立するように味が整えられているものも多いため、そのまま使用すると料理全体の方向性が決まりやすくなります。一方、洋風だしをベースとして使用すれば、塩、コショウ、ハーブ、スパイスなどを後から加え、自店のメニューに合わせて味を作ることができます。

例えば同じ野菜系のだしでも、トマトを加えればミネストローネやトマトソースのベースにでき、クリームと合わせればポタージュやクリームソースにも応用できます。香辛料を加えることで、洋食に限らずエスニック系の料理へ展開することも可能です。

飲食店では、すべての料理に専用のだしを仕込むと作業量が増えてしまいます。基本となる洋風だしを用意し、提供する料理ごとに調味を変えることで、仕込み工程を増やしすぎずメニューの幅を広げやすくなります。

スープやソースなど幅広いメニューに応用しやすい

洋風だしはスープだけに使用するものではありません。

パスタソース、リゾット、シチュー、煮込み料理、カレー、ピラフなど、さまざまな料理のベースとして活用できます。また、肉料理や魚料理のソースに少量加え、旨味を補強するといった使い方も考えられます。

例えば野菜だしを店舗の共通ベースとして仕込んでおけば、ランチではスープ、ディナーではソースや煮込み料理というように、一つのだしを複数のメニューに展開できます。

これは、限られたスタッフで営業する飲食店にとって大きなメリットです。

メニューごとに異なるスープを一から仕込むのではなく、共通するベースを作ったうえで仕上げを変えることで、仕込み時間の削減だけでなく、食材や調味料の管理もしやすくなります。

ラーメン店の場合も、野菜だしをスープのベースや補助的な旨味として使用することで、新しいメニューの開発につなげることができます。

素材本来の風味を生かしやすい

洋風だしは、主役となる食材の味を前面に出したい料理にも向いています。

例えば、季節野菜を使ったポタージュでは、ベースの味が強すぎると、かぼちゃ、とうもろこし、きのこなど、それぞれの素材が持つ香りや甘みが感じにくくなる場合があります。

洋風だしを土台として必要な分だけ旨味を加えれば、食材の風味を残しながら料理全体をまとめやすくなります。

また、野菜を主体としたメニューは、ヴィーガンやベジタリアン対応を検討している飲食店にも取り入れやすい選択肢です。

ヴィーガン対応とは、基本的に肉や魚だけではなく、卵や乳製品などを含む動物由来の食品を使用しない料理を提供することを指します。そのため、見た目が野菜料理であっても、ベースとなるだしに肉や魚由来の原料が使われていればヴィーガン向けとはいえません。

野菜料理だけでなく「だし」まで動物性食品不使用にすることが、メニューを考えるうえで重要です。

訪日観光客の中には、ヴィーガンやベジタリアンのほか、宗教や文化的背景などから特定の動物性食材を避けている方もいます。動物性食品を使用しないだしを一つ用意しておくことは、こうした幅広い食習慣へ対応するための第一歩になります。

ただし、宗教上の食事制限はヴィーガンと同一ではありません。食材だけでなくアルコール成分、調理器具の共用、製造工程、各宗教で求められる認証など条件が異なる場合があるため、「野菜だしを使っているからすべての宗教に対応できる」と判断せず、必要に応じて原材料や調理環境まで確認することが大切です。

コンソメではなく洋風だしを選ぶメリットとは?

洋風出汁はどう作る?

洋風だしを一から仕込む場合には、肉や魚介、香味野菜などから旨味を抽出します。

使用する材料によって味は変わりますが、基本的には材料を水から加熱し、アクを取り除きながら煮出した後、こして料理に使用します。

業務用として大量に仕込む場合には、使用する材料の重量、水量、加熱時間を記録し、担当者によって仕上がりに差が出ないようにすることが重要です。

肉や魚介と香味野菜を弱火で煮出す

洋風だしにはさまざまな種類があり、鶏を使用する場合には鶏がらや鶏肉、魚介系であれば魚の骨やあらなどをベースとして使います。

そこへ玉ねぎ、人参、セロリなどの香味野菜を加え、素材から旨味と香りを引き出していきます。

ポイントは、強火で激しく煮立たせ続けるのではなく、素材に合わせた火加減でじっくり加熱することです。

飲食店で仕込む場合、仕込み担当者が変わると「弱火」の判断にも差が出ます。使用する鍋、材料量、水量、加熱時間などをレシピとして数値化しておくと、品質を統一しやすくなります。

一方、野菜のみで洋風だしを作ることもできます。玉ねぎや人参、セロリ、キャベツなどの野菜を組み合わせれば、肉や魚介を使わなくても甘みや旨味を持っただしを作ることが可能です。

ヴィーガンメニューを提供する場合には、肉や魚介だけでなく、バターや乳製品などの動物性食品を仕込み工程で使用していないかも確認する必要があります。

アクを取りながら澄んだだしに仕上げる

肉や魚介を使用してだしを取ると、加熱する過程で表面にアクが浮いてきます。

アクを適度に取り除きながら加熱することで、雑味を抑え、澄んだ味わいのだしに仕上げやすくなります。

特に、透明感のあるスープや淡い色のソースに使用する場合は、だしの濁りが料理の見た目にも影響します。

ただし、必要以上に何度もかき混ぜると素材が崩れ、だしが濁りやすくなる場合があります。加熱中は状態を確認しながら、表面に浮いたアクや余分な脂を取り除いていくことが基本です。

大量調理では、鍋によって加熱条件が変わることもあります。同じ量を仕込む際は同じ寸法の鍋を使用するなど、厨房内で条件を揃えると味を安定させやすくなります。

こして用途に合う濃さへ調整する

十分に旨味を抽出できたら、ざるやこし器などを使用して固形物を取り除きます。

こした後のだしは、そのまま使用するだけではなく、料理に応じて濃度を調整します。

スープとして提供する場合には飲みやすい濃さに整え、ソースのベースに使用する場合には煮詰めるなど、目的によって扱い方を変えることができます。

飲食店では、だしを取るたびに濃度が変わってしまうと料理の味も安定しません。そのため、完成時の液量や重量を記録しておくことが大切です。

また、一から洋風だしを仕込むには、材料の下処理、煮出し、アク取り、こす作業など多くの工程が必要になります。

人手不足や仕込み時間の短縮を重視する店舗では、液体濃縮タイプの業務用だしを活用し、必要な量だけ希釈して使う方法も有効です。

洋風出汁はどう作る?

洋食によく使われるその他の調味料とは

洋食の味は、だしだけで完成するものではありません。

洋風だしを料理の土台として、塩、コショウ、ハーブ、スパイス、ワインなどを組み合わせることで、料理ごとの個性を作ることができます。

洋風だしそのものを濃くしすぎず、仕上げの調味料によって味を調整できるようにしておくと、一つのだしをさまざまな料理に使用しやすくなります。

塩とコショウで基本の味を整える

洋食における基本的な調味料が塩とコショウです。

だしに旨味が十分に含まれていても、塩味が適切でなければ料理全体の味がぼやけて感じられることがあります。

一方で、だし自体に塩分が含まれている場合は、調味時の追加量に注意が必要です。

業務用の濃縮だしを使用する店舗では、希釈後の味を確認してから塩を加えます。最初から塩を多く加えるのではなく、仕上げに向けて段階的に調整すると安定させやすくなります。

コショウについても、料理に合わせて使用量を変えます。クリーム系や淡い色のスープでは香りを抑え、肉料理や煮込み料理ではアクセントとして効かせるなど、メニューに応じて調整するとよいでしょう。

ハーブとスパイスで香りを加える

洋風だしは味を作り込みすぎていない分、ハーブやスパイスとの組み合わせによって料理の印象を変えやすいこともメリットです。

ローリエやタイム、ローズマリー、パセリなどを使用すれば洋食らしい香りを加えられます。

カレー粉やクミンなどのスパイスを組み合わせれば、洋食だけでなくエスニック系のスープや煮込み料理にも応用できます。

野菜だしを共通ベースとして仕込み、使用するハーブやスパイスを変える方法であれば、動物性食品を使わないメニューのバリエーションも広げやすくなります。

例えば野菜スープ、トマト煮込み、豆を使った料理、植物性食材を中心としたカレーなど、ヴィーガンの方が食べられるメニューを考える際にも活用できます。

ワインやビネガーで風味に奥行きを出す

ワインやビネガーなどの酸味や香りを加えることも、洋食ではよく用いられる調理方法です。

赤ワインは肉料理のソースや煮込み料理、白ワインは魚介料理やクリーム系の料理などと合わせやすく、洋風だしと組み合わせることで味に奥行きを持たせることができます。

ビネガーは酸味を加えるだけでなく、料理全体の味を引き締める役割があります。油脂を多く使用する料理では、少量の酸味を加えることで食べやすい印象に整えることもできます。

ただし、ヴィーガン対応や宗教上の食事制限への対応をうたう場合には、調味料についても原材料や製造方法を確認する必要があります。

特にワインなどの酒類は、宗教によって避けられる場合があります。食事制限に対応する場合は、だしだけではなく料理に使用するすべての調味料を確認したうえでメニュー表示を行うことが重要です。

洋食でコンソメを代用する業務用だしの選び方

飲食店でコンソメの代わりとなる業務用だしを選ぶ際には、「何の料理に使うか」だけでなく、「どのようなお客様に提供するか」まで考えて選ぶことがポイントです。

一般的な洋食メニューで鶏のコクを出したい場合と、ヴィーガン対応メニューを作りたい場合では、選択すべきだしが異なります。

店舗内で複数のだしを使い分ける場合には、容器や保管場所を分けるなどして、誤使用を防ぐ仕組みを整えることも大切です。

野菜の旨味を生かす素材調味だし 野菜400ml

ヴィーガン対応メニューや野菜を主体とした料理に活用しやすいのが、「素材調味だし 野菜400ml」です。

「素材調味だし 野菜400ml」は、玉ねぎ、人参、キャベツ、セロリの4種類の野菜を使用した液体濃縮だしです。野菜の甘みと風味を生かした仕立てとなっており、スープ、パスタ、鍋だし、煮込み料理など幅広い料理に使用できます。

料理に合わせて薄める、またはそのまま使用でき、希釈する場合は20~30倍が目安です。

業務用として液体濃縮だしを使用するメリットは、一から野菜を長時間煮出す工程を減らしながら、必要な量だけ準備しやすいことです。

例えば、ランチタイム用にスープを多く仕込む日と、少量だけソースを作る日では必要なだしの量が異なります。濃縮タイプであれば、料理ごとに必要な量を調整しやすく、仕込み量の変化にも対応できます。

さらに、「素材調味だし 野菜400ml」は動物性食品不使用で、ヴィーガン認証も取得しています。

そのため、ヴィーガン向けのスープやパスタ、煮込み料理などを開発したい店舗にも適しています。

飲食店がヴィーガン対応を進めるメリットは、既存の利用客だけでなく、食の選択肢に制限がある訪日観光客にもメニューを提案しやすくなることです。

特にラーメンの場合、麺や具材を植物性食品にしていても、スープに鶏がら、豚骨、魚介だしなどを使用していればヴィーガン対応にはなりません。

そこで、動物性食品を使用しない野菜だしをスープのベースにすることで、ヴィーガンラーメンなど新しいメニューを検討しやすくなります。スープ以外にも、野菜パスタ、リゾット、カレー、ポトフ風の煮込みなど幅広いメニューへ展開できます。

インバウンド客が多い店舗では、単にヴィーガンメニューを作るだけではなく、英語メニューなどで「Vegan」とわかるように表示することも重要です。また、動物性食材を使用する料理と調理器具や油を共用する場合には、その情報をどのように案内するかも店舗内で決めておくとよいでしょう。

ヴィーガンのお客様だけでなく、宗教や文化上の理由から動物性食材を避けたいお客様にとっても、原材料を確認しやすいメニューを用意することは店舗選びの安心材料になります。ただし、宗教ごとに条件は異なるため、個別の認証が必要な場合は別途確認が必要です。

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鶏のコクを加える素材調味だし 鶏400ml

ヴィーガン対応を必要としない一般的な洋食メニューで、鶏の旨味やコクを加えたい場合には「素材調味だし 鶏400ml」を活用できます。

「素材調味だし 鶏400ml」は、鶏肉の旨味と鶏がらのコクをバランスよく生かした丸鶏風味の液体だしです。だしの香りとコクを料理に加えやすく、料理に合わせて薄める、またはそのまま使用できます。希釈する場合は20~30倍が目安です。

鶏の風味はスープだけでなく、煮込み料理や炊き込み料理、鶏料理などにも合わせやすいため、一つの業務用だしを複数のメニューで活用したい店舗にも向いています。

洋食店では、スープのベース、ピラフやリゾット、煮込み料理などに使用することで、鶏がらを長時間煮出す仕込み工程を軽減できます。

また、ラーメン店であれば鶏を主体としたスープの補助や、既存スープのコクを調整する用途も考えられます。

業務用だしを利用する際は、毎回目分量で入れるのではなく、料理ごとに希釈倍率や使用量を決めておくことが重要です。例えばスープ用、ソース用、煮込み用などで標準配合を決めておけば、仕込み担当者が変わっても味を再現しやすくなります。

なお、「素材調味だし 鶏400ml」は鶏由来の原料を使用しているため、ヴィーガン対応メニューには使用できません。

同じ店舗で通常メニューとヴィーガン対応メニューを提供する場合には、通常メニューには「素材調味だし 鶏400ml」、動物性食品を使用しないメニューには「素材調味だし 野菜400ml」というように、用途を明確に分ける必要があります。

容器への表示や保管場所を分けるなど、スタッフが誤って使用しないようにオペレーションを整えることも重要です。

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まとめ

コンソメではなく洋風だしを料理のベースとして使用することで、塩味や香りを料理ごとに調整しやすくなり、スープ、ソース、パスタ、リゾット、煮込み料理など幅広いメニューへ展開できます。

一から洋風だしを取る場合には、肉や魚介、香味野菜などを煮出し、アクを取りながら旨味を抽出し、最後にこして用途に合わせた濃度へ調整します。しかし、飲食店で毎日大量に仕込む場合には、材料の下処理や長時間の加熱、こす作業などがスタッフの負担になることもあります。

仕込みの効率化と味の安定を図りたい場合には、液体濃縮タイプの業務用だしを活用する方法があります。

野菜を主体とした料理やヴィーガン対応メニューには、動物性食品不使用の「素材調味だし 野菜400ml」が活用できます。スープやパスタ、煮込み料理だけでなく、ヴィーガンラーメンなど、インバウンド需要を意識したメニュー開発にも取り入れやすい商品です。

一方、通常の洋食メニューで鶏の旨味とコクを加えたい場合には「素材調味だし 鶏400ml」を使用するなど、提供する料理と対象とするお客様によってだしを使い分けることが重要です。

訪日観光客の増加によって、飲食店には「何を提供するか」だけでなく、「誰が食べられる料理なのか」を分かりやすく示すことも求められています。

洋風だしを単なるコンソメの代用品として考えるのではなく、仕込み効率の向上、メニュー開発、ヴィーガン対応など、店舗の目的に合わせて選ぶことで、より幅広い料理づくりと顧客層への対応につなげていきましょう。